1. Abstractのルール
Abstractは本文が書けてしまえばそこまで難しいものではありません。ただし、要約力が試されます。必ず字数制限は守り、できる限り字数上限いっぱいまで書くことが大事です(できるだけ情報を入れる)。例えば250字ならばheading(background, methodsなどの見出し)込みで245字程度は書くように頑張りましょう。多少の字数調整はChatGPTに投げれば対応してくれます。
Abstractは大きく分けて二通りあります。多くの雑誌ではBackground, Methods, Results, Conclusionのようなシンプルな形式で250字程度のことが多いですが、雑誌によっては350字でImportance, Objective, Design, Participants, Main outcome, Results, Conclusions のように詳細に記述しないといけない形式もあります。
一般的な前者のスタイルでは文章形式で、後者の場合は箇条書きで書きます。分からない時はその雑誌の他の論文を参考にします。多くの読者はAbstractしか読んでくれません。従って、Abstractを読んだだけでも内容が明確に伝わらないといけません。
ちなみに雑誌によってはBackground, Methods, Results, Conclusionを記載するstructured abstractではなく、unstructured abstractのことがあります。この場合は上手に文章を繋げましょう。
2. Abstractの注意点
Abstractを書く際にはついついメッセージを強く示したくて目的・結果・結論が一対一対応していない書き方をしてしまう事があります。全部を書くことはできないので、一部を削除するのですが、Abstractのmethodsに書いていない内容がいきなりresultsに出てきたり、結論にポジティブなことを書こうとしてプライマリアウトカムの結果ではなくセカンダリアウトカムの結果がメインであるかのように書いてしまうのもあるあるなので気をつけましょう(いわゆるSPINは避けましょう)。
- 目的が明確に示されている
- 方法はデザイン、用いたデータ、対象となった患者、アウトカム、解析方法がまとまっている
- 結果は方法と一対一対応しており、プライマリアウトカムの結果が明記されている
- 結論は目的・結果と対応しており、飛躍した結論がなく、セカンダリアウトカムが強調されすぎていない