Letterのお作法

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1. Letterを書く時に気をつける事

Letterを書く際にはScientific Research Works Peer Support Group (SRWS-PSG)がサポートしているので相談してみるのも良いと思います。同グループから『医学論文の読み方2.0 論文を批判的に吟味し臨床適用するためのLetterの書き方 』が出ており、こちらの書籍を読むのが最も近道だと思います。

医学論文の読み方2.0 論文を批判的に吟味し臨床適用するためのLetterの書き方
この本はある程度論文が読める人が対象で、『論文を読んでレターを書くことで科学コミュニティに参加し、臨床研究へと繋げる』本です。体系的に論文を評価する方法を示し、形に落とし込むためのケーススタディが豊富な点が特徴なので、何かしたいけどどうしたら良いか分からないという、モヤモヤしてる人は是非手に取っていただけたらと思います。逆に基本を知らないとレベルが高く感じてしまうと思うので、そこは既存の書籍でカバーしてください(COIあり)

Letterにも論文のようにお作法がありますが、論文を書いた事がある人はそこまで困らないと思います。論文と違い、自分の意見を論理立てて述べる場所なので、イメージとしてはDiscussionを書くのに近いでしょうか。またlettterは投稿期限が決まっています。一般には「紙媒体で出版されてから3-4週間以内」ですが、投稿雑誌の規定を必ず読みましょう。Onlineから紙媒体での出版に時間がかかる場合、letterのアクセプト通知は忘れた頃にきます。

すべきことすべきでないこと
内容がトピックと関連し目的が明確
メッセージがクリア
丁寧な文章
構造化された構成
読みやすい
良いタイトルをつける
ガイドラインに沿った構成
直接関係のない議論
内容が古い
論文に新たな知見を追加しない的外れな議論
攻撃的・過剰に批判的
簡潔でない
偏見・バイアスがかかった意見
原著の研究限界などで既に指摘されている点
“More studies needed”のような意味のない議論
Keith S., Emad EO. United European Gastroenterol J. 2020 Oct; 8(8): 981–983.

2. Letterの構想を練る

Letterを書く際にはまず構想を練りましょう。ちなみにletterの共著者は一般に3名程度までなので注意してください。本文で述べられていない最近読んだ論文との相違点、方法論におけるバイアスとなりうる要素、臨床的解釈の相違点などが臨床医でも比較的取り掛かりやすいポイントかと思います。

  1. まずは論文をしっかり読む
  2. 中心となるメッセージを据え、本当にletterにすべきか考える
  3. 議論の参考になる文献の検索を行う
  4. 雑誌の投稿基準と共著者を決める
  5. 相手を尊重し、流れるような論理構成を意識する
  6. 導入部、意見となる段落、最終段落の3部構成を意識する
  7. 自分の意見(トピックポイント)は多くても3個まで
  8. 意見は明確・簡潔に最初の方で述べる
  9. 最終段落では、簡潔にまとめ、最後に提案や推奨事項を述べる

3. Letterは3部構成

Letterは基本的に3部構成です。起承・転・結をイメージしてください。

  1. 結果の要約と誉め言葉:「あたの論文を興味深く読みました。***について書かれており非常に興味深いです」
  2. Letterで指摘する論点:「しかしながら、下記の点に関しては更なる議論が必要かと思います。第一に…」
  3. 結語:「以上より我々はこの論文に対して***であると考えます」


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