投稿プロセス

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1. 投稿に必要な情報

まずは投稿する雑誌のauthor guidelines/Instruction for authorsをもう一度熟読し(長いのでちゃんと読まない人もいますが、ちゃんと読みましょう)、雑誌に合わせて体裁を整えます。必要になる情報は下記です。

  1. 著者の名前、学位、所属先、eメールアドレス(これらはリスト化して保存しておきましょう)
  2. 著者のCOIの有無(ICMJEのCOIフォームはこちら)
  3. Cover letter、本文、図表(図は雑誌指定の形式)、supplemental material
  4. 出版費用の確認

また、下記は雑誌によっては必要な情報ですが、先々必要になることも多いのであらかじめ準備しておく方が良いでしょう。

  1. 倫理委員会の名称と申請番号
  2. STROBEなどのチェックリスト


2. 実際の投稿プロセス

上記を確認したら、雑誌の「submission」から論文を投稿します。サイトから登録して自分のIDを作り、そこから一つ一つ指定されたところを埋めていきます。必要な項目を埋めて論文をアップロードすると最終的にpdfが生成されるので、それをもう一度読んで最終確認します。この後でapproveするか聞かれますが、これを押すともう変更はできないので最後のチャン スです。

またID作成時にORCIDというアカウントがあるかどうか聞かれますが、無い人は作っておきましょう。ORCIDは色々な雑誌で共通で使える自分のIDです。ORCIDを登録しておくと雑誌に投稿する時、自分の情報が簡単に埋められる上に自分の論文の紐付けがしやすくなるので便利です。また他者の論文の査読時にも用いる事ができます。

さて、投稿時にはこれらの他に論文投稿の際に色々聞かれます が、慣れないと結構困ります。

1. Publication fee
Open journalじゃなくても最近はお金を払うことでオープン化(誰でもアクセス可能)になります。学会誌においてオープン化を選ばないとアクセプトされにくくなるとかそういった事は無いので安心してください。ただ研究費などがあって「是非とも読んでもらいたい!」という場合にはおすすめです。実際オープンの方が引用されやすくなると思います。

2. Funding/COI
行われた研究に対してどこからお金が出ているかを書きます。また、よく「下記の施設に該当するか?」という項目で米国などの組織名がずらっと並んでいる事もありますが、日本の研究者のほとんどは該当しないのでNA(not applicable)を選びましょう。これは公式の施設からの研究だと、決められた年数後にオープンにしないといけないなどのルールがあるためです。

3. Conflict Of Interest (COI)
論文を書いていると必ずCOIという言葉を目にします。利益相反とも言って製薬会社などからお金をもらっている場合、その 会社に都合のいい結果になりがちなので、その旨をきちんと記載する必要があります。多くのジャーナルで筆者全員分のCOIを書面で提出することが多いので、上記の通り、共著者に本文の最終チェックを するときに一緒に添付して回すのが良いです。

ICMJEのCOI disclosure form

このフォームはPDF版とWord版がありますが、PDF版はMacのPreviewではうまく開けず、Adobe Acrobat Reader(無料)が必要になります。

4. Clinical Trial
ランダム化比較試験などの介入研究では、clinicaltrial.govやUMINに事前登録した認証番号を書く必要があります。観察研究であれば不要です。

5. Study approval / Patient consent / Permission use of Image
倫理委員会を通過していれば問題ありません。雑誌によっては倫理委員会の名称と申請番号を問われることもあるので、控えておきましょう。症例報告などでは患者同意書の提示を求められることがあります。

6. Contributor statement
Title pageのauthor contributionsと同じです。細かくエフォートを書く必要があるときは、ある程度大雑把で構いません。詳細はこちらを参照

7. Meeting
論文の研究内容をどこかで発表したか、あるいはする予定があるかどうかです。これはそのまま書きましょう。ただし学会発表が先の場合、論文の出版と学会発表の日を合わせる必要が出たりするので気をつけてください。

8. Suggested Reviewer
雑誌によってはreviewer(査読者)を何名か提案しなければい けません。これは編集者が査読者を探す手間を省くためです。とはいっても知っている人がいることは少ないですから、投稿する雑誌を検索して、似たような論文を書いている人を選んで提案しましょう。自分が引用している論文の人がいいかもしれませんが、自分の結果と相反する研究の人や競合相手は避けた方が無難です。

8. Data sharing
生データの公開について聞かれる事もありますが、多くの場合は倫理委員会などが許可していないとの理由でNoと答えることが多いようです。こちらに詳細を書いてあります。今後はデータの開示は進んでいくとは思います。

9. STROBEなどのチェックリスト
Reporting guidelinesであるSTROBEチェックリストなどの提出を求められることがあります。この場合、EQUATOR networkからダウンロードして、各項目のところにページ番号を書き加えていきます。

最後にPDFをダウンロードすることになりますが、最終確認をちゃんと行うこと
特に図表の部分が綺麗に読めるようになっているか気をつけましょう。


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